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<p> <b><span style="font-size:10.5pt;font-family:'ＭＳ ゴシック';">１<span lang="en-us" xml:lang="en-us">.</span>
支配権獲得時における連結貸借対照表の作成</span></b></p>
<p class="MsoNormal"><b><span lang="en-us" style="font-family:'ＭＳ ゴシック';" xml:lang="en-us"> </span></b></p>
<p class="MsoNormal"><b><span lang="en-us" style="font-family:'ＭＳ ゴシック';" xml:lang="en-us">(1</span></b><b><span style="font-family:'ＭＳ ゴシック';">）支配獲得時の投資勘定と純資産の部諸勘定の相殺</span></b></p>
<p class="MsoBodyTextIndent3" style="margin-left:9pt;text-indent:9pt;">
初めて親会社が子会社の株式を取得し、支配権を獲得した時においては、連結貸借対照表の作成が必要になる。</p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:9pt;text-indent:9pt;">
この連結貸借対照表は、株式取得時点における親会社と子会社の個別貸借対照表を合算し、株式原始取得時における投資勘定と純資産の部諸勘定の相殺消去仕訳を加えることによって作成される。</p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:9pt;text-indent:9pt;">
なお、なぜ消去する必要があるのかというと、親会社の子会社に対する投資は連結計算上、単なる資金の内部移動とみなされるからである。</p>
<p class="MsoNormal"><span lang="en-us" xml:lang="en-us"> </span></p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:18pt;text-indent:-18pt;">
<b><span lang="en-us" style="font-family:'ＭＳ ゴシック';" xml:lang="en-us">(2</span></b><b><span style="font-family:'ＭＳ ゴシック';">）少数株主持分</span></b></p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:9pt;text-indent:9pt;">
親会社が子会社の発行する株式を<span lang="en-us" xml:lang="en-us">100</span>％所有しない場合、少数株主が存在することになる。この場合、支配獲得日の子会社の純資産は、株式の持分比率により親会社に属する分と少数株主に属する分とに分割し、前者は親会社の投資勘定と相殺消去され、後者は少数株主持分として処理する。</p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:5pt;text-indent:10pt;"><span lang="en-us" xml:lang="en-us"> </span></p>
<p class="MsoNormal"><b><span lang="en-us" style="font-family:'ＭＳ ゴシック';" xml:lang="en-us">(3</span></b><b><span style="font-family:'ＭＳ ゴシック';">）連結調整勘定</span></b></p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:9pt;text-indent:-1.3pt;">①　連結調整勘定の意義</p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:18.2pt;text-indent:7.7pt;">
支配獲得日の貸借対照表を部分時価評価法により作成する場合、子会社の資産・負債のうち、親会社の持分に相当する部分については支配獲得日の時価、少数株主持分に相当する部分については個別貸借対照表の金額によらなければならない。</p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:18.2pt;text-indent:7.7pt;">
親会社の子会社に対する投資勘定とこれに対応する子会社の純資産の部諸勘定とを相殺消去するに当たり、親会社の投資勘定と当該子会社の純資産の部諸勘定に占める親会社の持分額（時価評価済）との間に差額がある場合には、これを連結調整勘定とする。</p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:9pt;text-indent:-.6pt;">
②　連結調整勘定の内容</p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:18.2pt;text-indent:8.4pt;">
この連結調整勘定は通常借方に生じる。この場合の会計上の性格は、子会社の純資産の部諸勘定に占める親会社の持分額が時価で評価されているため、<b><span style="font-family:'ＭＳ ゴシック';">超過収益力の対価</span></b>と考えられ、連結のれんとされる。一方貸方に生じた場合は、子会社について将来にわたり純利益が見込めないか、純損失が発生すると予想されるため、当該純損益見込額をてん補するために減額して株式の取得価額を決定したというような原因などが考えられる。もしこの原因に該当しない場合は、親会社は子会社の資産を時価未満の価額で取得した、もしくは負債を時価を超える価額で引き受けたということになる。</p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:18.9pt;text-indent:9.1pt;">
したがって、<span style="color:#000000;">借方と貸方の双方に生じた連結調整勘定は発生原因が異なり、償却期間や償却方法も違ってくるため相殺してはならない。</span></p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:9pt;text-indent:.1pt;">
<span style="color:#000000;">
③　企業結合会計基準と連結原則</span></p>
<p class="MsoNormal" style="margin-left:19.55pt;text-indent:9pt;">
<span style="color:#000000;">
企業結合会計基準において連結調整勘定は、のれん（貸方発生の場合は負ののれん）として表示されることになっているが（注解</span><span lang="en-us" style="color:#000000;" xml:lang="en-us">19</span><span style="color:#000000;">）、連結原則に定めがあるものについては、企業結合会計基準の対象取引から除くこととされているため（基準一）、連結原則に基づく本テキストでは連結調整勘定の用語をそのまま用いることにする。</span></p>