悪魔達の侵略25(20130104)


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重い瞼を開けると、そこには見覚えのある天井と、人の気配があった。
クレイルは一度手を握って身体が動くことを確認すると、ゆっくりと身体を起こした。
「お兄ちゃん!!」
開口一番、クレイルの上半身にフラメルが抱きついた。
「ちょ、姉さん危ないってば! 今起きたばっかりなんだから!」
慌ててパピメルがフラメルを引き剥がす。
「ありがとう、パピメル」
と、言ったクレイルを見て、
「ほんとに、ほんとに心配したんだから……」
フラメルは涙目でそう言った。
「お帰り、兄さん……」
フラメルを掴むパピメルも、目に涙を浮かべながら言う。
「ありがとう、ただいま」
クレイルはそっとフラメルとパピメルの頭を撫でて言った。

フラメルとパピメルはあの後の出来事を全てクレイルに伝える。
「レオルスには改めてお礼をしなければいけないな……」
「うん……その、ごめんね。私たちが一緒に力になれなくて」
そう言うフラメルに、クレイルは首を横に振る。
「いいんだ。それよりパピメル、傷は……?」
パピメルが髪を上げてクレイルに首の後ろを見せる。
そこにはパピメルの白いうなじが見えるだけで、翠色の魔刃の傷跡は跡形も無く消えていた。
パピメルが髪を下ろすと、じっとクレイルの目を見てから
「兄さん……あのね、ママがパパは兄さんに会いに行くって言っていたの」
言い辛かったのか、静かにクレイルにそう言った。
それを聞いて驚いたのはフラメルである。
「え? パパ……って?」
クレイルは改める様に、一度目を閉じてから頷いてから姉妹に言う。
「フラメル、パピメル。長くなるが、話しておかなければならないことがあるんだ。いいかい?」
クレイルのその言葉に、姉妹が頷く。
「二人にも聞いて、思い出してほしい。僕たち五人の家族のことを……」
クレイルはそう言って、妹たちの頭から消えている記憶を蘇らせるため、ゆっくりと全てを伝えた――。


『…………』

『フフフ……マグナ、まだ心配? もう大丈夫そうよ?』

『……そうだな。おーいお前ら、これからも自分の思うままに生きてくれよ』

『私、幸せだわ……こんなに立派になった子供たちを目にすることが出来て……』

『あぁ、俺もだイヴ。……さて、じゃあそろそろ行くか』

『えぇ、そうしましょう』


数日後、兄妹は秘境の魔女たちの元を訪れた。
フラメルとパピメルも、やっと自分の祖母と対面をすることができたのである。
帰りに、ティファレットから1枚の写真を受け取った。
写真には、父と母、幼いクレイルとフラメル、そしてまだ母の胸に抱かれながら眠っている小さなパピメルが映っている。
兄妹の家に初めて、家族五人が写っている写真が飾られたのだった。


The End

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