悪魔達の侵略11(20130104)


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どれほどの激痛が襲うのだろう。
その痛みに耐えなければ、と覚悟していたフラメルであったがそれは襲ってこない。
「……?」
逸らしていた顔を戻し、ゆっくりと目を開けると、フラメルの目の前には真っ白な服を着た人の背中があった。
槍はフラメルに届く前に停止している。
見れば、目の前の人物が片手でその槍を捕らえていたのだった。
そしてその人物の前方には、大きな帽子を被り、長い髪を持った五人の姿がある。
中央の一人、白い髪で白い服を見にまとった人物が振り返って、フラメルとパピメルに近づいた。
「フラメル、パピメル、大丈夫?」
その姿を見て、パピメルが思わず声を漏らす。
「マ、ママ……?」
すると、女性は少し困ったような顔をして
「ごめんなさいね。私はティファレット……あなた達のお母さんの妹なの」
と言った。
「ママの妹……? じゃあ、あなたたちは……」
フラメルが間近でその姿を見て声を漏らすと
「えぇ、魔女よ」
ティファレットは微笑んで、フラメルにそう答えた。
そして、
「ありがとう、クルス」
と、言ってフラメルの目の前で槍から姉妹を守った白髪の少年の肩を叩く。
クルスと呼ばれたその少年は、ビービーが放った槍を両手で握りなおすと、真ん中をへし折った。
その槍を投げ捨てると、今度はその少年の身体が瞬く間に縮んでいく。
少年はフラメルたちの目の前で、全身が白い毛に覆われ、長い耳を持った<獣の姿>へと変貌した。
ティファレットがその獣の頭を撫でる。
「この子は使い魔の<クルス>って言うの。よろしくね」

「ビービー!」
「きたわよ、ティピード!」
悪魔二人が声を上げる。
ティピードはクレイルを威嚇するように大きく翼を広げて距離をとり、ビービーの元へ戻った。
テンペストを襲っていた五匹の獣も、ティピードのもとへ駆け寄る。
目の前で槍を破壊されたビービーは、怪訝な顔をして魔女たちを睨みつけた。
悪魔二人と魔女四人がその場に対峙する。
魔女たちの背後、ようやく開放されたテンペストがクレイルの所に戻ると、その様子を見ていたレオルスもクレイルのそばへ向かう。
「ティファレット叔母様……良かった」
「待たせたわね、クレイル。無事でよかったわ」
クレイルを確認して、ティファレットが微笑んだ。
「大丈夫よ、後は任せて」
そう言ったティファレットに、クレイルが首を横に振って言う。
「ですが、悪魔はあの二人だけじゃない」
「えぇ、まずは門を封印しないと」
「いえ、そうではなく――」
そう言って、さらに言葉を続けようとして
「レオルス、フラメルとパピメルと一緒にいてもらっていいですか?」
「ん? あぁ」
レオルスに姉妹を任せると、クレイルとティファレットは前方で対峙していた魔女の元へ近づいた。
「そうではなく、もう一匹……母を襲ったあの姿に似た悪魔が残っている」
それを聞いたティファレットの表情が曇る。
「まさか、あのグリーンブレイドがもう一度……?」
「いえ、<レッドデスサイズ>と言う名の悪魔です」
「なぜそんなに詳しい話を……?」
フラメルとパピメルから距離を置いたのを確認すると、小さな声でクレイルが告げた。
「父親に……父さんに会えたんです。何処でと聞かれると困りますが」
「そう……マグナさんが、そのレッドデスサイズのことを?」
「はい」
「わかったわ。なら、すぐに片付けて門を封じなきゃね」
クレイルにそう言って、ティファレットは魔女たちの並ぶ前線へ足を進める。
「さぁ、みんな。仕事を始めるわよ!」
その声を合図に、悪魔と魔女の激しい戦闘が幕を開けた。

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