悪魔達の侵略5(20130104)


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三人の目の前で、事はあっという間に起きた。
突然ヘリコプターが上空に現れ、そびえていたクレイターローズに攻撃を行う。
激しい爆発音と共に、すぐさま森の奥で炎が上がった。
炎と共に、大量の黒煙を上げ続けるクレイターローズを見て、ヘリコプターは彼方へと姿を消した。
気がつけば赤い霧に包まれていた森の外周からは霧が消え、石化したクレイルのいる周辺にあった蔦や根は全て無くなっている。
「行こう! 今しかない!」
これはチャンスだと、レオルスはフラメルとパピメルに声をかけて走り出した。
接近が許されなかったクレイルの元へ、三人とテンペストが駆け寄る。
「レオ君! 今の何!?」
「わかんねぇ! けど魔女の攻撃じゃない! 何にしても、あの樹が破壊されたならチャンスだ!」
いつまで蔦や根が引いているか分からない。
全員が全力で走り、たどり着いたところで、テンペストが森の奥、クレイルの前方を警戒する様にして、クレイルの前を守った。
「クレイル! ……駄目だ、外側からどうこう出来る状態じゃねーぞ……!」
レオルスが石化したクレイルに触れる。
クレイターローズがもたらした石化は、魔力の吸収を終えた蔦が完全に動きを止めるために行ったものだった。
石化した表面に魔力の面影はなく、ただの石像となってしまったそれは、下手に触れればクレイル本体ごと崩れる可能性もある。
「パピちゃん、羽根をお兄ちゃんに!」
「うん。ママ、兄さんをお願い……!」
パピメルが手に持ったイヴの白い羽根をそっとクレイルへ近づける。
クレイルに触れた、次の瞬間――羽根が、その場全員の視界を奪うほどの激しい光を放った。

マグナに言われて天を仰いでいたクレイルに、一閃の眩(まばゆ)い光が届く。
「どうやら、クレイターローズを突破できたみたいだな」
「一体どうやって?」
「さぁな。さて、俺とはここでお別れだ」
「父さん? これは……?」
クレイルが異変に気づく。
自分の身体と、目の前のマグナの身体が徐々に透け始めていた。
「お前の母さん、イヴの力だよ。これで元の体へ戻れる。」
「父さんと母さんは、今どこに?」
「さぁな、気づいたら俺はここにいた。イヴはもしかしたらパピメルを守るために戻ってきたんじゃないか? いずれにしろ……」
マグナは黙って聞くクレイルに向かって首を横に振る。
「俺とイヴはもう、肉体の消えてしまった存在だ」
「そうですか……」
もう一度家族全員で過ごせる日がくるのではないか。
残念ながらクレイルのその願いは、叶わないものだった。
「なに、いつかまた会えるさ」
「…………」
「全てが終わったら、今度は全員でな」
マグナのその言葉には何の根拠もない。
だがそれでも、クレイルは願う一心で大きく頷き、言う。
「わかりました……では、行ってきます」
お互いが消え行く中、マグナは頷いたクレイルの言葉に笑み、言った。
「あぁ、任せたぞ」
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