ドリーム&メモリーズ19(20121211)


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レオルスを乗せて、テンペストは無事にマティリア兄妹の住む家に到着する。
テンペストもまたレオルス同様、捨て身でレオルスを救い、素材を託したクレイルの覚悟を目にした。
その為か、森を出てすぐに残り僅かとなった自分の魔力を最大限駆使して、全速力でここまで戻ったのである。
着地し、レオルスを降ろしたテンペストがそのまま地面に倒れ込む。
呼吸は荒く、顔を上げるのも辛そうなテンペストを撫で、レオルスが小さな声でありがとう、と言う。
レオルスが素材を手に玄関へ向かうと、物音を聞きつけたのか、フラメルが玄関の扉を勢いよく開けて出てきた。
「お兄ちゃ――」
ようやくその時が来たのだと、待ちわびて迎えに出たフラメルの目に飛び込んだのは、疲弊したレオルスと地面に倒れているテンペストだった。
「レオくん!? テンちゃんもどうしたの!」
慌てて駆け寄るフラメルに、レオルスが手に持ったケースを見せながら言う。
「素材は揃った、秘薬作成の準備をしてくれ」
フラメルがケースを見ると、その声とは裏腹にレオルスの手は小さく震えていた。
「レオくん、お兄ちゃんは……?」
「…………」
フラメルの言葉にレオルスは無言で顔を俯(うつむ)かせる。
答えられない。
帰りを待つ妹に、お前の兄は生死不明で、救助できるのかも分からないと、そう告げることが出来ない。
「ううん、ありがとレオくん。これで揃ったんだよね? パピちゃんを助けられるよね?」
そんなレオルスを見てフラメルは首を横に振り、笑顔で言った。
レオルスはその反応に驚く。
クレイルを置いて、一人で帰ってきたレオルスを責める事もなく、フラメルは笑ってそう言ったのだ。
「あ、あぁ。後は集めた素材を全てグラトンポットに入れれば完成するはず」
「うん、じゃあそうしよう。手伝ってくれる?」
「待てよ、クレイルが――」
フラメルの反応を見て、耐え切れなくなったレオルスが声を上げる。
だが、『大丈夫、心配するな』などと言うセリフはとてもじゃないが言えない。
「うん、わかってるよ。でもきっと大丈夫だと思う」
フラメルはレオルスへ振り返ると、笑顔で答えた。
「うちのお兄ちゃん、無茶はするけど絶対にいなくなったりしないよ。だって私たちを必ず守るって言ってくれたから」
戻らない兄の事を知り、誰のせいにするわけでもなく、ただ信じて待つその妹を見て、レオルスの不安は消えていった。
そうだ。
あのクレイルが、ただでやられる訳がない。
きっと何か策があって自分を犠牲にして俺を外に出したに違いない。
フラメルを見て、レオルスも頷く。
「……あぁ! とにかく秘薬が先だ」
「うん!」
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