ドリーム&メモリーズ3(20121211)


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歩き出したパピメルはすぐに額縁の変化に気付く。
額縁を通過する度、その中には絵画の様にパピメルの知る人物が映し出されるのだった。
最初に映った、隣で眠るフラメルの寝顔からスタートし、これまでパピメルが出会ってきた人々が次々に額縁内に映し出されていく。
そこにはもちろん、セルフィタウンの合成所に訪れた人々の顔もある。
通路の中に繋がった階段があり、上ってから降りると上る前とは違う通路に繋がる。
しばらくすると、額縁ではなく割れた鏡が複数並んでいる場所があった。
何も映らないそれを見てパピメルが二人に問う。
「この鏡は……?」
すると、ティーチが振り返ってこう答えた。
「それはあなたの記憶ではなく、<あなたを記憶していた人>のものでしょう。ここに映らないと言う事は……きっとどこか遠くに行ってしまったんでしょう」
記憶されていたという事は、相手は自分を知っていて、こちらは知らないと言うことだろう。
そして割れて姿が映らないのは、記憶に残る、残らないではなく、既に亡くなっているのではと、パピメルはそれが何を意味しているか、声にすることなく解釈する。
再び足を進めて行くと、今度は合成学校にいた頃のクレイルとフラメルが映し出された。
そこにはもちろん、同じ教室で学んでいたレオルスもいる。
さらにその先に、兄妹を合成師として育て上げた、恩師であるラウロス=オリジナの姿もあった。
青色の髪は、彼の息子のレオルスと同じ色をしている。
(本当に過去に戻っていってる……)
ふと後ろを振り返ってみると、今まで歩いてきた道には何も残っておらず、ただただ黒い壁が続いていた。
気にすることなく、二人の後ろについてひたすら歩き続けたところ、無限に思えた暗い通路はついに終わる。
そこには一枚の扉が見えた。
だが、扉までの道には不思議と額縁が一つもない。
扉手前の最後の壁には、額縁ではなく割れた鏡がある。
それは今までの鏡より一回り大きいものだった。
「行き止まり……?」
パピメルが割れた鏡と目の前にある扉を見ながら言う。
真っ暗な壁に取り付けられた扉には、金の鎖で繋がれた、ピンク色の錠がかけられていた。
「エール、鍵を」
ティーチの言葉を聞いて、エールがいつの間にか手にしていた扉と同じ色の鍵を、無言でパピメルに渡す。
「私の……母親の記憶はこの中に?」
パピメルが問うと、エールが笑顔で答える。
「そう。だけど、あなたの記憶が逃げたがっているみたい」
それを聞いたパピメルは躊躇(ためら)うことなく錠へ鍵を挿した。
(私は逃げたりしない)
取り付けられた錠を開けると、錠は鎖と共に音を立てて地面に落ちた。
「では、行きましょう。パピメル」
「あなたの知りたいものはここに」
ティーチとエールが招くように扉へ手を向けると、ゆっくりと音も立てずに扉が開いていった。
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