秘境の魔女20(20121109)


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一方、レオルスもようやく山の頂上へと到着した。
セフィラに強化された魔力にはまだまだ余裕がある。
レオルスも素早く辺りを探索し、目的の物が見当たらなければすぐに次の山へ向かうつもりだった。
だが、クレイルと反対方向へと駆け、距離が離れた所で、ふと脳裏に浮かんだ記憶がレオルスの足を止める。
レオルスは、この山に来る前に聞いたクレイルの話を思い出してみる。
兄妹の母親イヴが倒れたその場に、レオルスとその父ラウロスが到着した、とクレイルは言った。
(あいつの話だと……俺が親父と一緒に守ったのはあいつら兄妹全員……ってことだよな)
あの時、確かにレオルスは張られた結界を維持させてその場にいた者を守っていた。
(だけど……)
レオルスがクレイルの向かった方向を見る。
(違うよな……親父が結界を張って、その中で俺が守っていたのは……)
心の中でそこまで呟いたレオルスの鼻のてっぺんを、不意に一粒の水滴が襲う。
「へ?」
気付けばいつの間にか周囲は何かに日差しを遮られ、恐ろしく暗くなっている。
慌ててレオルスが見上げた空には、黒い雨雲が立ち込めていた。
たった今、レオルスが登ってきた山はティアラレイクを成す五つ山のうち、一番標高が低い。
頂上付近でも雲を越えることはなく、現在彼のいる最頂部付近は空を覆う雨雲の真下にあった。
瞬く間に、大粒の雨がレオルスを襲う。
(下りるか……!?)
と、考えたレオルスはそこで改めてクレイルと勝負中であることを思い出す。
(いや、周辺の探索がまだだ。とりあえず木陰に避難して――)
レオルスが移動を開始した瞬間、雨雲の内部で激しい光が発せられた。
「って、そりゃそうだよな! クソッ!」
光と共に、雨雲から轟音が山中に響き渡る。
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