秘境の魔女15(20121109)


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少年は悔しかった。
許せなかった。
父がいない中、家族を守るのは自分しかいないのにと、自らを責めていた。
気絶した妹の側、倒れる母の横で泣き叫ぶフラメルを見て、少年は彼女の兄として漏れそうになる自分の声を押し殺した。
どんなに声を押し殺しても、溢れる涙は容赦なくクレイルの頬を伝う。
気づけばクレイルは無意識にその場で立ち上がり、森に逃げた魔獣を追いかけようとしていた。
静かに溢れる涙は、逆にクレイルに冷徹な感情を与え、憤激を超えた静かな怒りが少年の心を支配する。
怒りの矛先となる標的を追うために、森へ走り出そうとしたクレイルが気配を感じたのはその時だった。
振り返ると、いつの間にか大柄で青い髪の男が母のすぐ側に立っていた。
もう一人、青い髪の少年が男のそばに立ってクレイルを見ている。
初めて見る姿だが、クレイルは不思議にも敵意を感じなかった。
「……俺は今日、お前たち家族に会う予定だったラウロスだ。こっちに来い、結界を張ってある」
気がつくと、青い髪の少年を中心に展開された青い魔力の空間が倒れた母と妹たちを覆っていた。
クレイルがその結界に戻ろうとした時、草原の異変に気付く。
イヴの放出した魔力の影響を受けて、いつの間にか草原の植物たちの花が咲き誇っていた。
風が吹き、花びらが周囲に舞う。
暖かい日の光が差し花びらが舞い散る中、魔女は静かに息を引き取った。
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