秘境の魔女1(20121109)


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クレイルとレオルスがテンペストに乗って飛行し、一時間ほど経った頃、その「林」は眼下に姿を現した。
まばらに配置された木々は、どことなく計算されて配置されているかのようにも見える。
「テンペスト、あそこの木の前に降りてくれるかい?」
クレイルはテンペストの体を軽く叩きながら命令すると、テンペストがそれに従いゆっくりと降下して着地した。
「ありがとう、テンペスト」
クレイルが声をかけると共に、テンペストは魔道書の中へ消えていく。
ここへ来る前と状況は変わらず、テンペストはいつもの魔力量ではない。
魔力が戻らない状態では、万が一自身で身を守らなければならない場面が訪れた場合、最悪の結果に至る可能性もある。
そう考えると、今のテンペストを不用意に晒しておく訳にはいかなかった。
「ここに魔女の一族が?」
「えぇ」
レオルスが辺りを見回してみるが、人はおろか生き物の気配さえしない。
「そう簡単には彼女たちには会えませんよ。結界の中に入らなければ、ね」
クレイルが二本の木のちょうど真ん中に立って右手の人差し指を立てる。
反時計回りに円を描くように人差し指で空中に六回触れると、そこには小さな紋様が六つ現れた。
クレイルが一歩下がり、慣れた口調で呪文を唱える。
「我が望みを聞け。我は汝が守護する一族の末裔。ここに力を証明する。汝はそれに答えよ」
唱えた言葉に反応するように、六つの紋様が輝きを増す。
クレイルが指差す右手の人差し指も、同様に魔力を帯びて輝きを増した。
紋様がクレイルの輝きを確認した次の瞬間、対に配置されていた六つの魔力の塊がクレイルの指先を中心に、勢いよく交差する。
交差した紋様は、二人の目前で空中に裂け目を残した。
裂け目はすぐに大きく広がり、目の前には真っ黒な空洞が現れる。
「なるほど、この林はフェイクか」
そう言いながらレオルスが覗き込むように表面を確認すると、そこには油の様な波紋が広がった液体の壁があった。
「行きましょうか」
クレイルはそう言うとその壁に触れ、吸い込まれるように中へと消えていく。
追いかけるように、レオルスもその壁の中に飛び込んだ。
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