悪魔達の侵略18(20130104)

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「ティファレット! 姿を現したぞ!」 真っ先に声を上げたのは森の奥に二つの紅い眼光を見つけたケセドだった。 巨大な身体を持つ悪魔が森の外にいる強力な魔力の存在を察知し、突風を起こすほどの咆哮(ほうこう)を上げて一気に飛び出してきた。 その姿を目にして、その場の全員が不可視の圧力を受けている様な錯覚に陥る。 人の形ではない、獣の様に見える頭蓋骨。 肉付きがない頭部から伸びる太い首と肩。 そこから伸びる太い左腕は、そばにあった一本の木の幹を握っただけで歪ませる。 右腕に拳は無く、身体と同じ紅色の巨大な鎌が備わっている。 デスサイズの名に相応しい、その右腕の大鎌が怪しく光を反射させる。 「ビナー!」 だが、考えている時間など無い。 ティファレットの声で、レッドデスサイズと魔女たちの戦闘は開始された。 ティファレットの声で、ビナーはビービーを操作したときと同じ魔術を使用する。 せめて足だけでも封じられれば、断然魔女たちが有利になる。 ビナーの魔術が飛来し、レッドデスサイズの脚部へ触れた。 ところが、それは吸い込まれる様に、レッドデスサイズの足元で消えてしまった。 「ビナー!? 何を――」 「違う、私じゃない」 次の瞬間、レッドデスサイズは左の豪腕でシールドへ殴りかかった。 レッドデスサイズの身体に纏(まと)う魔界の魔力は、魔女たちの力と激しい衝突をする。 「そういうこと……!」 ビナーに操られる事無く、平然と攻撃を開始してきたレッドデスサイズを見て、ティファレットが気付く。 レッドデスサイズの足には生きたままのクレイターローズの蔦が何本も絡んでいる。 「これを見越して、まだ残っていた部分を取り込んできたのね」 ティファレットの言葉で、ケセドもそれを理解する。 「だが、それではあいつの魔力も吸われているのでは?」 「蔦は、奴の身体を幹の代わりにしているんだわ。ケセド、一瞬で削ぎ落とせない? 触れる時間が長ければまた吸収されてしまう!」 「わかった。あの細さならいけるはずだ!」 蔦はクレイターローズ本体から生えていた時より明らかに細いものである。 切断は容易そうに見えたが、魔力を持つ攻撃では触れれば触れるほど吸収されてしまう。 ティファレットとケセドが対策を考える間にもなお、レッドデスサイズの攻撃は激しさを増していく。 さらに、脚部のクレイターローズが、徐々にシールドから魔力を削っていった。 レッドデスサイズが、ついにその右手の大鎌でシールドを切り裂こうとした、その時―― 「疾走しろ! ヒュドゥール・レピダ!」 ケセドが叫んだ一言で、レッドデスサイズの足の蔦は、細かな残骸となって地に落ちたのだった。 限りなく鋭利にした水を一気にレッドデスサイズの足へ撃つ。 本体の樹を失って細くなっていた蔦は、ケセドの魔力を帯びた水の刃を吸収する前に、切り落とされた。 だが、鋭く鋭利にした水の刃は、レッドデスサイズの脚部を襲ったにも関わらず、その両足には何のダメージも与えられていない。 それを見て、術者であるケセドは驚愕する。 「何て硬い皮膚なの……! 正直、今ので両足切り落とすつもりだったんだけど」 「いいえ、ありがとうケセド。これでもう吸収される事は――」 「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」 ティファレットが再度攻撃指示を行おうとした瞬間、レッドデスサイズが大きな咆哮をあげる。 同時に、右腕の大鎌に赤黒い波動が走り出した。 「シールドをッ――」 ティファレットが危険を察知して自らシールドの強化に加担しようとした刹那、レッドデスサイズが一閃。 たった一度横に振ったその動きだけで、魔女たちのシールドを二つに切り裂き、魔力の流れもろとも断ち切ったのだった。

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