悪魔達の侵略6(20130104)

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「な、なんの光だ!」 突然放たれた光から咄嗟に目を庇っていた、レオルスはゆっくりと右腕を下げる。 目の前で輝く激しい光に、フラメルとパピメルも目を塞いでいた。 三人は各々、目の前で石化していたクレイルを確認すると―― そこには、石から解放され、ゆっくりと目を開けるクレイルの姿があった。 「お兄ちゃん!」 フラメルが真っ先に声を上げて、クレイルに抱きつく。 「兄さん!」 パピメルも、自分の無事を知らせるために、クレイルの元へ寄った。 「フラメル……」 目覚めと共に、避ける暇もなくフラメルに抱きつかれていたクレイルだが、いつもの様に邪険に扱ったりはしない。 すぐ側にいたパピメルを見てクレイルは一安心する。 「パピメル、おかえり」 「ただいま。兄さん」 「よかった、パピちゃんもお兄ちゃんも無事で……!」 クレイルを見上げるフラメルの瞳には涙が浮かんでいる。 「あぁ。大丈夫だよフラメル」 それを聞いて、フラメルはようやくクレイルから離れる。 フラメルの隣には、真剣な顔をしたレオルスがいた。 「レオルス、助かりました。秘薬はうまくいったようですね」 「あ、あぁ。それより、大丈夫なのか?」 「えぇ、身体に問題はありません。ただ……魔力はお互いに振り出しの状態ですね。増強された魔力は恐らく全て持っていかれましたから……」 クレイルが自分の両手を見る。 根こそぎ持って行かれた魔力は、回復するまで時間がかかりそうだった。 そして、クレイルはマグナの言葉を思い出す。 魔獣<レッドデスサイズ> それがやって来るとすれば、通ってくる魔界の門は森の奥。 クレイターローズがある場所からではないかと、そびえていたはずの樹を見る。 「クレイターローズが燃えている? 魔女たちが既にこの場に?」 クレイルが森の奥で天高く燃え盛る炎を見て言う。 炎は止まることなく、周囲の木々にまで燃え移ろうとしていた。 近く寄らず、魔力を吸収するクレイターローズに向かって、魔力以外で炎を移す方法があるのか? だが、クレイルのその言葉に、レオルスが首を横に振って答える。 「いや、魔女たちはまだ来てねーよ」 「では、一体誰が? どうやってあの樹を……」 「ヘリコプターがきて、ミサイルみたいのが飛んでいったの」 「ヘリコプター?」 「うん」 フラメルが言ったそれを聞いて、まさかと思いクレイルがある人物を頭に浮かべた、刹那、 その場を異様な波動が襲い、全員が森の奥へと目を向ける。 いつの間にか、空からは音も無くブラッドローズが舞い落ち、森へと降り注いでいた。

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