悪魔達の侵略1(20130104)

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暗黒の空に閃光を走らせ、雷鳴が轟く。 そこは瘴気(しょうき)が溢れる、正しい世界の裏側。 美しい生命が生きる事を許されないその空間こそ、知る人ぞ知る<魔界>である。 魔界の住人である悪魔、「ティピード」は今日も待ち続けていた。 することも無く、冷たい岩の上に座りながら片目で空を見上げ、落雷の数を数えながら一度大きなあくびをする。 もうすぐ、表側の世界に繋がる門が開くと言われ、開き次第すぐに先頭に立って進むことを許されたのだ。 先頭に立てば、進入を防ごうとする相手との戦いは必須。 合図を待つが、それが来ないまま、退屈な時間は容赦なく過ぎていく。 シャドウリザードがティピードに気付かずに、岩の上を走っているのを見て、素早くそれを捕らえた。 リザードの頭をと腹を掴み、思い切りそれを左右に引きちぎる。 頭部を地面に投げ捨てると、やがてそれが再生して一匹のシャドウリザードとなり走り去った。 近くにいた、黒い身体の四肢を持つ獣が、その様子をじっと見ている。 「なに見てんだよ」 ティピードは手元に残ったシャドウリザードを口の中に放り投げた。 その時、 「お待たせティピード。遂に門が開くわよ」 突然現れた女の悪魔が、笑みを浮かべながら歩いてくる。 ティピードは口に入れたシャドウリザードを飲み込むと 「ビービー、待ちくたびれたぜ。いつでもいける」 そう答えて、立ち上がった。 二人とその隣にいた一匹の黒い獣は、魔界に現れた空間の裂け目に滑るように入り、光る出口を探して進んだ。

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