ドリーム&メモリーズ24(20121211)

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だが、問題が一つ浮上する。 時間がないと言われたが、三人が森へ向かう移動手段を失っていた。 テンペストはクレイターローズの襲撃の際に魔力を吸われ、残っていた魔力は全てレオルスを運ぶために使い果たしている。 クレイルが捕らわれている森は走って辿りつけない場所ではないが、距離はそれなりにある。 何とかもう一度だけ飛べないかと、玄関を出た二人がテンペストへ近づいた、その時だった。 「あっ!」 フラメルの持っていたイヴの羽根がテンペストに反応する。 やがて羽根が輝くと、その光と共鳴する様に身体を輝かせたテンペストがゆっくりと立ち上がる。 「お、おい! 身体が――」 レオルスが驚いたのはその光ではなく、テンペストの身体の変化に対してだった。 イヴの羽根の魔力なのか、テンペストの身体はさらに成長していく。 四肢は伸び、首や背中は今まで以上に広く、大きくなった。 生える翼は何を乗せても問題なさそうな程立派に広がり、テンペストが二人を見て力強く羽ばたいてみせる。 「テンちゃんがおっきくなった……」 「で、でかくなったな。お前」 驚きを隠せず、背の伸びたテンペストを見上げる二人だが、これで問題は解決した。 これなら三人乗って森まで飛んでいける。 三人を乗せるためにテンペストが地へしゃがむと、着替えを終えたパピメルが玄関から飛び出してきた。 「パピちゃん、乗って!」 レオルスを先頭に、フラメルとパピメルが騎乗する。 テンペストは最後に背に座ったパピメルを確認すると、立ち上がり、一度大きく嘶(いなな)いて、地を蹴り空へ飛び立った。 最終章へ続く

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