ドリーム&メモリーズ23(20121211)

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身体が自由に動く確かな感覚を持って、パピメルが瞬きをして急に身体を起こすと、すぐ隣で目に涙を浮かべながら見守っていたフラメルが驚き、固まった。 「姉さん、おはよう」 パピメルが呟いたその一言を聞いたフラメルが、パピメルに思い切り抱きつく。 「おかえり、パピちゃん!」 「うん……ごめん」 「ううん、良かった、ほんとに!」 母親の胸の中で枯れるほど泣いたはずなのに、涙を流して喜ぶ姉に抱きしめられながら、再びパピメルの瞳からは涙が溢れていた。 パピメルがそっと手を開くと、そこには白い羽根が一枚乗っている。 「パピちゃん、それは?」 「羽根なんていつ持ったんだ?」 パピメルが持っている羽根を見て、フラメルとレオルスが言う。 「うん。夢の中でママに会ったの」 パピメルがフラメルとレオルスに全ての出来事を話す。 フラメルは母に会えたパピメルを少しだけ羨ましいと感じながらも、それより先にクレイルを救わなければと、すぐに立ち上がった。 「レオ君、お兄ちゃんはどうなったの……?」 真剣な顔つきのフラメルがレオルスに言う。 姉妹が再会した感動の時間はすぐに消え、再び重い空気が部屋に充満している。 レオルスがようやく意を決して、言った。 「クレイルは……捕まったんだ。魔界の植物に」 「!?」 「あれは植物じゃない、生きた魔獣だった……」 空気はさらに重くなる。 「お兄ちゃんが勝てなかった魔獣……」 「悪いのは俺なんだ。あいつが俺を庇って――」 と、レオルスが二人から目を逸らしながら言うと、 「ううん、違うよ。レオ君は秘薬でパピちゃんを助けてくれたもん」 フラメルが首を横に振ってそう言う。 パピメルも頷き、ベッドから降りて言った。 「兄さんは生きてる。きっと助けられる」 「うん! せっかくパピちゃんが起きたんだし、会わせないと!」 「姉さん、私もすぐに準備する。先に外へ行ってて」 パピメルが羽根をフラメルに渡す。 それを受け取って頷き、先に部屋を出ようとしたフラメルとレオルスの横で、二冊の本が、羽根に反応した。 「この本……」 フラメルが本を手にすると、最初に部屋で見た時とは異なり、力強く光りながら僅かであるが魔力も帯びていた。 その反応はまるで二冊の本と羽根が揃って、封じられていた力が解放された様にも見える。 「姉さん、その本も一緒に持って」 「うん、わかった」 パピメルの声でフラメルとレオルスが頷くと、一冊ずつそれらを手にして部屋を出た。

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