ドリーム&メモリーズ12(20121211)

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生き物の気配をまるで感じない森の中、空気の冷たさを感じながらレオルスが森の奥を眺める。 目的地である中心部はまだ先だと思われるが、徐々に赤い霧が近づいている様に見えた。 ふとクレイルに目をやると、いつの間起きたのか顔を上げ、そびえ立つ木々を見ている。 「…………」 レオルスは、一瞬クレイルの目に涙が浮かんでいる様な気がしたのだが、それには触れずに声をかけることにした。 「おい、起きたか? 大丈夫かよ?」 「レオルス、ここは?」 「ここはって、変わらず森の中だ。奥まではまだもう少し距離がありそうだぜ」 動かないクレイルを見て、レオルスが言う。 「一体、急にどうしたんだよ」 クレイルがようやく身体を起こし、レオルスのそれに答える。 「思い出したんです。僕ら兄妹には、父親がいた。間違いなく、あの事故の時までずっと一緒に生活していた」 その言葉はレオルスの予想通りであり、そしてそれはレオルスが知る事実と同じ記憶である。 クレイルはついに、あの事件以前の父親に関する記憶を取り戻したのだ。 「そうか、よかったじゃねーか。でもどうして急に?」 「わかりませんが、最初に浮かんだ映像は森だった気がします。もしかしたらこの状況が、あの時と似ているのかもしれません。まぁ、君は僕の父ではありませんが」 「と言うか、もしそれが再現されてるんだとしたら俺はこの森で消えるかもしれないんじゃ?」 「かもしれませんね」 「冗談になってねーぞ、それ」 さらっと言ってのけるクレイルに対して、ため息をつきながら言うレオルス。 「とにかく、もう大丈夫なんだな?」 「えぇ、まだ考えたい事はたくさんありますが、まずは目的を果たさなければ。先を急ぎましょう」 「あぁ」 二人は再び、周辺を警戒しつつ森の奥へと足を進める。 クレイルがこの場所に訪れた時からずっと続いていた幻覚や幻聴は全て消え去っていた。 しばらく歩き、さらに赤い霧の濃さが増した頃、レオルスが隣で歩くクレイルの魔力量の異変に気付いた。 (こいつ、魔女の支援を受けているとは言え、元の状態より増えてないか……?) クレイルは気付いていないのかもしれないが、その魔力には明らかな変化が起こっている。 記憶の回復が引き金となり、潜在的に持っていた魔力が祖母セフィラからの支援と重なった結果、クレイルの魔力は、魔女である叔母のそれに近い状態にまで増えていた。 今の状態でコンポジションウェポンズを使用すれば、これまでに無い形状の武器を生成することも可能だろう。 そしてついに、二人を覆う霧が完全に赤く染まった時、目の前にそれまでの木々に比べて数倍の太さを持つ樹木が姿を現した。

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