秘境の魔女19(20121109)

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数分後、魔術によって移動速度を上げたクレイルは、早くも山の頂上付近へ到着していた。 ティアラレイクの五つの山のうち、中央の山は一番標高が高い。 その為眼下には、見渡す限りの雲の床が広がっていた。 (……少し飛ばしすぎましたかね) 実際に魔術を使用してみて、セフィラの強化魔術は非の打ち所がないと断言できる程に完璧だった。 魔術の詠唱により魔力を身体から消費すると、通常なら身体への負担で疲労を感じることがある。 長時間の使用、または連続して異なる魔術の使用を繰り返せば、反動は魔術を使用する術者の身体に影響を及ぼす。 だが、魔力強化を受けているこの状態で移動速度を強化する程度なら、何度魔術を使用しても、全く身体への負担は現れなかった。 祖母に感謝しつつ、クレイルは再度周辺を見回してみるが頂上にはまばらに木が立つだけで、目的の実は見当たらなかった。 (…………) すぐに、再び詠唱を行って山を駆け下りる。 人目から守られているこの森は、魔女以外に登山者は訪れない。 整地されていない生い茂る木々の中、場合によっては木の枝を渡った方がスムーズに通過できる箇所もある。 クレイルがちょうど下り立った木の上から辺りを見回して呟いた。 「ハズレ、か」 魔力を帯びた足でそのまま木の枝を蹴り、登山してきたルートを下って行く。 下山したクレイルの目の前には再び水面を輝かせるティアラレイクが姿を現した。 結局、一つの山を往復したが、収穫はおろかヒントを得ることも出来なかった。 レオルスの行方を追う様に、ティアラレイクの山を眺める。 (彼が登っていったのは一番左の山……なら僕は反対の山を) すぐにその山に背を向け、クレイルは一つ右の山へと移動し、再び山道を駆け上がっていった。

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