秘境の魔女10(20121109)

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暖かい春の陽射しの中、柔らかい葉が揃う草原に穏やかな風が流れる。 風は草を撫で、側にある森へと吸い込まれていく。 ゆっくりと時の流れる空間に、幼い子供の笑い声が響き渡る。 白い髪の少年と桃色の髪の少女が仲良く草原を駆け回っていた。 側に、母親と思わしき女が一人。 顔を覆う白い大きな帽子から長い髪が優しく地へ降りている。 闇を寄せ付けないような輝く白の装いが彼女を包む。 人々は皆、その者を<白金の魔女>と呼んだ。 魔女は人と恋に落ち、やがて三人の子を授かった。 魔女と人の血が混ざり合う存在。 禁忌の存在とも思われたその子らが世に受け入れられたのは時代の助けがあったとも言える。 当時、世に晒されることの無かった「魔女」と言う存在が明らかになり、魔女は共存を望み、魔術は人へと提供された。 人が知識を駆使し、科学の力によって生み出された錬金術は純粋な「魔術」を取り入れることに成功する。 二つの術師がそれぞれを助け合い相乗していった結果、「合成術」と言う新たな術を創造した。 合成術師は世を助ける希望となり、その術を広める者と学ぶ者は次第に増えていった。 同時に、合成術の間に様々な派閥が出来あがり、術師たちは個々の派閥によって分散していくことになる。 その後、強力な力を持てるのは純粋な魔女の血を引く者のみ等と言う話も広まり、合成術師は人々の希望であると同時に、仲間からの憎悪の対象にされることも少なくなかった。 白金の魔女「イヴ」は自分の子供たちをなるべく人目に晒さないように育ててきた。 三人目の子、パピメルと名付けた女の子が生まれる前に街を離れ、静かな山里へと移り住むことにしたのは、錬金術師である夫も賛成していた。 人目に付かない静かな山中の家は、山小屋や別荘に近い。 こうして、父の錬金術の才能と母の魔術の力が混ざり合う極めて純粋な血を持つ兄妹は、両親からの確かな愛情を受け、大きく成長していった。

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