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 ヨーロッパの中央部にドイツという国があります。ビールやソーセージ、川沿いの古いお城・・・、などが有名な国です。また、ライン川という大きな川があって、それに沿っていくつかの大都市が並んでいます。これらの都市は、世界中から比べたらあまり大きくはないのですが、お話の舞台になったりと、重要な都市になっていて、毎年たくさんの観光客が訪れます。これからお話しするのは、その大都市のある1つなのです。
 さて、ヨーロッパには、たくさんの大都市があります。有名なのに、フランスのパリや、イギリスのロンドン、それにバルセロナ、マドリッド、などがあります。この都市には、たいてい大きな正面玄関を持った博物館が1つや2つはあります。そこには、町の周辺の遺跡で掘ってきた発掘品や、有名な画家の描いた絵、そのほかいろいろと珍しいものを置いてありました。
 ドイツのこの町にも、もちろん博物館はありました。正面に階段が付いており、まるでギリシャの宮殿のような格好をした石造りの立派な博物館で、入口には馬に乗った将軍の像が建っていました。階段を上がると、回転ドアがあって、ドアの内側にある受付で、入場料を払って中へ入るのです。ところで、博物館で展示しているものは、数ある貯蔵物の中でも、限られたものだけなのです。あとの大部分の品は、研究室にあるか、または倉庫にしまってあります。市立博物館には、博物館の地下に大きな倉庫がありました。
 博物館は、主に週末にたくさんの観覧客がやってきます。週末は、裏にある駐車場もいっぱいになるほどの人気があるのですが、平日は、仕事やら学校やらで、お客が少ないのです。もし、平日に行ったとしたら、展示室で思う存分くつろげるのです。
 さて、いろいろと細々した市立博物館の話はひとまず切り上げます。また、話が進むにつれ、いろいろなことが分かってくるでしょう。お話を一歩前に進めるには、絶対にディッペン教授の話をしなくてはなりません。
 ディッペン教授は、大学を卒業して、学者になったばかりの若い教授でした。有名な大学を卒業して、最近博物館にやってきました。ところで、ディッペン教授は、世界を駆け回り、いろいろと珍しい品を集めて、コレクションにしておりました。これが仕事なのですが、趣味でもありました。教授が旅行した国々は世界で100カ国以上にのぼります。
 コレクションには、アフリカのペルベル族の帽子や、300年前の付けひげ、ルイ16世のいとこの入れ歯などがありました。
 ディッペン教授が教授になってからというもの、世界中からいろいろ変わったものを収集していたので、そういううわさが広まりました。教授が博物館にやってきたときも、そのうわさを博物館長や係員などが知っていたので、教授を博物館の裏にある、小さな研究小屋に追いやって、ここで研究するように、と言いました。
 この研究小屋の裏には、博物館が所有する森がありました。この森は、昔から博物館の持ち物だったのですが、もうずっと昔から手入れをしていなかったので、今ではアフリカの奥地や、アマゾンの熱帯雨林のような状態になっていました。そんな土地ですので、博物館が所有していてもやっかいなだけなので、館長はできるだけ売ろうと努力しました。しかし、つるや草や、ジャングルのような森を手入れするのは難しいので、森を購入する人は誰も出てきませんでした。
 そこで館長は、ディッペン教授に、この土地はいらないから、研究小屋と一緒に使ってください、と言いました。教授は、荒れ果てた森でも喜んでもらいました。館長からすれば、一石二鳥というわけです。
 さて、教授にはまだ、奥さんも子どももありませんでしたので、研究小屋に住むことにしました。もともと、小屋も裏の森のつるが巻き付いて、ひどい有様になっていたのですが、教授は2日間できれいにしてみせました。そして、その後、森も一生懸命手入れをしました。つるを1つ1つ払って、からみあった枝をのけていき、1週間すれば、なんとか視界がきくようになりました。そして、1ヶ月経つと、それはそれは美しい、きれいな森になりました。こんな森のことをすっかり忘れていた館長が、久しぶりに教授を訪ねたときに、森を見て、危うく腰がぬけるほどでした。
 とにかく、だいたいお話の始まる場所は分かりましたね?教授は、こうして研究小屋に住み始めたのでした。