遺伝的浮動


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  • 進化についての確率論的説明において現れる概念

島モデル

第一世代

太平洋の160の孤島にそれぞれ一組の結婚したカップルがいる。合計320人の個体がMN型血液型を持っている。それぞれ息子と娘を産み、近親的に子孫を増やしていく。MN型には生存に関するメリットもデメリットもない。数百年後にはどうなっているだろうか?新たな突然変異は起こらないものとする。

第二世代

\frac{1}{4}MM+\frac{1}{2}MN+\frac{1}{4}NN

第三世代

MM \times MM = \frac{1}{4} \times \frac{1}{4} = \frac{1}{16}

MN \times MN = \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}

NN \times NN = \frac{1}{4} \times \frac{1}{4} = \frac{1}{16}

MM \times MN = 2 \times \frac{1}{4} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}

MM \times NN = 2 \times \frac{1}{4} \times \frac{1}{4} = \frac{1}{8}

NN \times MN = 2 \times \frac{1}{4} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}

すると、160の島のうち10ではMM個体しかいなくなり、10ではNNしかいなくなり、40ではMNしかいなくなる。その他100のうち40はMMとMN、40はMNとNN、20はMMとNNがいる。

第四世代

MMしかいない10の島、NNしかいない10の島ではもはやそれぞれの遺伝子型だけになり、それ以外の遺伝子型は消滅する。これをrandom fixationもしくはrandom extinctionという。

追加

MとNはcommon alleleである。第一世代の中には、まれなアレルをヘテロ接合体としてもっているものもいるだろう。これは、random extinctionによって消滅しなければ、頻度の高いアレルとなるチャンスがある。このようなことをfounder effectという。

一般化

random fixation、random extinctionのおこる確率はサイズNが小さくなるほど高くなる。

このようなfluctuationを、遺伝的浮動genetic driftという。

N個体からなるbreeding populationを仮定する。2Nの配偶子からなる集合である。アレルaの遺伝子頻度をq、p=1-qをアレルAの遺伝子頻度とする。次の世代での遺伝子aの数は二項分布(p+q)^{2N}に従う。どういうことかというと、次の世代での頻度qのとりうる値は

0,\frac{1}{2N},\frac{2}{2N},..,\frac{2N-1}{2N}

で、qの確率は、qj=j / 2Nとすると

\left ( \frac{2N}{j}\right ) p^{2N-j}q^j=\left ( \frac{2N}{2Nq_j} \right ) p^{2Np_j}q^{2Nq_j}

ここで\delta q=q_i-qをひとつの世代から次の世代へ移るときのqの偶然の偏移とする。分散は

\sigma^2 _{\delta q} = \frac{q(1-q)}{2N}

したがって、qの浮動を表す分散は、Nに反比例することがわかる。

解釈

random fixationが有限の集団で起こりうることがわかった。一度fixationがおこれば、後戻りはできない。fixationが起こる確率は、世代が後になるほど高くなる。したがって、長期的に見れば、突然変異や民族移動によってこの過程が乱されず、選択圧がかからなければ、遅かれ早かれ集団は全てホモ接合体で埋め尽くされる。この現象は、decay of variablityと呼ばれる。

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