糖尿病

リスク

  • Finnish Study. Diabetes Care 2005; 28: 2901.
冠動脈死/1000人年 MI既往なし MI既往あり
non-DM (n=1373) 3.2 26.0
DM (n=1059) 26.8 71.4

フラミンガムリスクスコア

使えるのかどうかわからないけど。ArIM 2007;167:1068-74.

  • 8年後のDMリスクは、以下のスコア≤10ポイントで≤3%、≥25ポイントで≥35%。
空腹時血糖値が100-126 mg/dL 10pt
BMIが25.0-29.9 2pt
BMIが30以上 5pt
HDL-Cが男性は40mg/dL未満、女性は50mg/dL未満 5pt
片親または両親が糖尿病 3pt
トリグリセリドレベルが150 mg/dL以上 3pt
血圧が130/85 mm Hg以上または治療中 2pt

治療

  • 4-T study中間報告時のeditorial
    • Nathanらのレビューにより、2剤の経口糖尿病薬を数ヶ月続けてもA1c>7%ならインスリンを開始するというコンセンサスが得られている。
    • インスリンを開始したら、2剤のうちmetforminを継続し、SU剤は中止すべきである(synergic effectのエビデンスはない...下記参照)
    • インスリン治療の概要
      • 眠前インスリンから開始、朝食前血糖値を<100mg/dLとするようにする。開始用量は10uまたは0.1-0.2u/kg。0.5-1.0u/kgが必要となることもある。
    • 経口2剤で<7%を達成できなかったほとんどの患者は、眠前インスリンだけでそれを達成する(Riddle MC et al. Diabetes Care 2003; 26:3080. Yki-Järvinen H et al. Diabetologia 2006;49:442.)
    • グラルギン(と日本未発売のdetemir)はNPHと比較すると早朝低血糖を起こしにくい。(Riddle MC et al. Diabetes Care 2003; 26:3080. Hermansen K et al. Diabetes Care 2006;29:1269.)
    • 経口のSUを継続したままインスリンを開始すると、特にbenefitはなく低血糖のリスクだけが増す(Yki-Järvinen H et al. Ann Intern Med 1999;130:389.)
    • 4-T studyの結果を見ると、食前インスリンと二相性インスリンは明らかに明確なメリットはなく、低血糖症を増やすものであり、第一選択とはなりえない
  • Steno-2. NEJM 2003;348:383.
デザイン RCT、T2DM+microalbuminuria、160人
介入 従来療法群 vs multifactorial intervention (食事、運動、禁煙、血糖・血圧・脂質・尿中アルブミンの管理、アスピリン)
結果 心血管イベント 44% vs 24%、NNT 5 (p=0.007)

インスリン

  • ノボラピッド3回うちは、ノボラピッド30Mixや持続型インスリンよりも血糖コントロールにおいて優れている。(4-T study group. NEJM 2007;357:1716.
患者 "maximally tolerated" SU+metforminを投与されてもA1c 7-10%のT2DM
介入 (1) ノボラピッド30Mix 2回/日、(2) ノボラピッド 3回/日、(3) 持続インスリン 1回/日を比較
エンドポイント 1年後の平均HbA1c、A1c<6.5%の患者の割合、低血糖、体重増加にて転帰を評価
結果 mean A1cは(1) vs (2)で7.3 vs 7.2%と同等(p=0.08)、(3)は7.6%で両群に対してp<0.001。

A1c<6.5%となった患者は、17.0 vs 23.9 vs 8.1% 低血糖は5.7 vs 12.0 vs 2.3例 体重増加は4.7 vs 5.7 vs 1.9kg

  • 4-T 3年目(N Engl J Med 2009; 361:1736.)
    • basal insulin, biphasic insulin, preprandial insulinの三群でA1cに差はなし(約7%)。体重増加、低血糖の副作用がbasal 群で少なかったため、この三つの治療レジメンの中ではbasal 補充療法が推奨できる。

メルビン

グルコバイ

デザイン RCT、vs IGT 1368人、女性51%、年齢54.5±7.9歳、BMI 30.9±4.2、フォローアップ3.3±1.2年
介入 プラセボ(n=715) or グルコバイ 100mg × 3/日 (n=714)
結果 治療中止 130 vs 211人
心血管イベント: NNT 40, p=0.03
MI p=0.02
new onset of HTN: NNT 19, p=0.006
  • MeRIA7 Eur Heart J 2004;25:10-16.
デザイン vs T2DM
結果 食後2hrの血糖41.9mg/dL低下(p=0.001)、HbA1cは0.58%改善(p<0.001)、MIが64%低下(p=0.012)、心血管イベントは35%低下(p=0.0061)。

アクトス

  • PROactive Lancet 2005;366:1279-89.
デザイン double blinded RCT、T2DM、既に内服薬best effortの治療、A1C>6.5%、35-75歳、5502人
介入 アクトス 15-45mg or プラセボ for 2.5-4年
主結果 総死亡+non-fatal MI+stroke+amputation+ACS+PCI or CABG+下肢revascularizationはアクトスで21.0%、プラセボで23.5%と有意差なし。総死亡+non-fatal MI+strokeはアクトスで12.3%、プラセボで14.4% NNT 48 (p=0.027)、インスリン導入療法率はアクトスで10.5%、プラセボで20.8%、NNT 9.7 (p<0.0001)。
結果(MI既往例) fatal/non-fatal MIを28%低下、ACSを37%低下、心血管複合エンドポイント(MACE)を19%有意に低下
副作用 心不全はプラセボで8%、アクトスで11% NNH 33 (p<0.0001)、心不全による死亡は1% vs 1%と有意差なし
    • PROactive-Stroke (学会発表?)
デザイン PROactive サブ解析?脳卒中既往例984例
結果 でアクトス群でA1c -0.9%、プラセボで-0.3% (p<0.001)、脳卒中再発はアクトスで5.6%、プラセボで10.2% NNT 21.7
  • CHICAGO JAMA 2006;296:2572.
デザイン 不明、T2DM 462人
介入 アクトス 15-45mg vs アマリール 1-4mg for 18m
結果 HbA1cはアクトス群でアマリール群より0.32%低く、IMT変化量はアクトス群で-0.001mm、アマリール群で0.012 (p=0.02)であった。
  • PRACTICAL (unpublished)
    • 日本での市販後調査。24993例、平均62歳、男性50.4%
    • 心不全は88例、0.35%。HF既往例で4.14%、心疾患既往例で1.33%

その他のグリタゾン

  • muraglitazar
    • PPAR-gammaおよびalphaの両方の作用がある。
    • 5つの試験のメタアナリシスによると(2型糖尿病の成人3,725人(年齢70歳以下、体格指数41未満、ヘモグロビンA1c値7~10%)、死亡、心筋梗塞または脳卒中の複合発生率は、muraglitazar投与患者のほうが対照より有意に大きかった(1.47%対0.67%、P=0.03)(Nissen SE et al. JAMA 2005; 294:2581-6.)
  • rosiglitazon (NEJM 2007, AOP)
デザイン 42の試験のメタアナリシス、患者28,000人、6-12ヶ月の期間
結果 MIのリスクはrosiglitazone群で増加(OR 1.43, p=0.03)、心血管死のリスクも増加(OR 1.64, p=0.06)。
    • 2007年7月30日のFDAミーティングによると
      • long term nitrates useやconcomitant insulin therapyの患者でリスクが高い
最終更新:2009年11月24日 00:01
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