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刃の向かう道


「…………………………………………………………」
彼は、この状況で取り乱す事なく、今という状況を確かめようとしていた。
高くそびえる大木に身を寄せ、目をつむっていた。

だが、彼は周りへの警戒を怠っているわけではなかった。
…………風の動き…………木々のざわめき…………
…………人の気配…………すべてに対して、彼は神経を傾けていた。
何が来ても、何が起きても、すぐに何かができるように。
普通の精神ではもたないこの状況で、高町恭弥という人間は冷静すぎた。




「………………荷物でも確かめるか………………」

長い沈黙が終わり、一番身近なものを調べだした。
なるべく手早く、時間をかけず、バックの中身を取り出した。

「食料に水、保って1日半か………………………武器は……無いか……………」

少し落胆している表情を見せ、代わりのものを発見した。

「これは…………団子か……?なぜこんな物が」

この大きさでは腹の足しにもならない以上、無用の丁物に等しい。
仕方がない、次だ…………
そして次に見つけた物、参加者の名簿だった。
彼は無心にこれを見ることにした。
自分の知り合いがいる可能性がある。

…………美由希…………フィアッセ……………
彼が心配していた人物たち……危険のあった人物はいなかった。
安堵はしたが一瞬の事であり、すぐに気付いた。

それとは全く別の人物が一名、自分の名前の一つ下に書かれていた。
彼は、はじめて驚きの表情を見せた。

「ば、馬鹿な……!」

自分のもう一人の妹であり、父から託された存在。
自分を師ではなく、兄だと慕ってくれる妹。
そのなのはが何故ここにいるんだ!?
彼はバックを確かめるまでに一種の仮説を立てていた。
しかしその仮説は、あの時見かけた少女と他の子供たちで間違っていると気づいていた。
だからこの結果は、心の奥底でわかっていたのかもしれない。
……………理屈でわかっても、感情は納得できないこともある……………
それを表すかのように、彼はしばらくうつむいてしまった。


………俺が知っているなのはなら…………まず間違いなく死んでしまう……………

…………今まで一度も暴力に訴えたことのない、優しい子だ…………
……襲われても抵抗も出来ぬだろう………どうすればいい………………………



彼が悩みだした時、研ぎ澄まされた直感が何かを告げた。
音がした。草を踏んだ、完全な足音だ。
(距離は…………近いな、すぐそばだ…………)

「………………………………………………………………………」

彼は気配を殺して、相手の出方を伺った。
襲いかかるなら撃退し、通り過ぎるならそれを待つ。
そうする筈だった。
だが相手を見た瞬間、彼は声を出してしまった。

「………ハッ……!」

この一瞬の息づかいに、相手は気付いてしまった。
彼女が身構えようとした時、既に恭也は動いた。



頭の中のくだらない幻想を掻き消し、覚悟を決めた。
仕方がない……!気絶させる……!!
急速に駆け寄って腹部に一撃を加える……!それで相手を昏倒させる。
恨みも無ければ何でもない、あくまでも自分のミスだった。
だが相手の目には交戦の意志があった。放置するのは危険だった。

恭弥は一歩、また一歩と踏み込んだ!その速さは神速と呼ぶにふさわしかった!
ただ一撃……………!

しかし彼女は、恭弥の動きに反応した。

「グッァ!」

重い一撃はギリギリのタイミングで急所を外した。
そして彼女自身も、恭弥に重たい反撃を加えていた。



激痛と急激な嘔吐間で意識が朦朧とした彼女は倒れこみ、腹部を抑え苦しんでいた。
脇腹を殴られた恭弥も、同じく苦しんだ。

「グッ…!……………………ハァ…ハァ…」

恭弥は持ち直した。そのまま近寄り、首に手刀を撃ちこもうとした時、
彼は手を止め、相手の顔を見つめた。



………………似ている………………
見た目も先程の一撃も………………
………………見間違いなのはわかってる……………
今確かめたばかりなんだ、晶は……城島晶という名はどこにもなかった。

「ウッ!!ウゥ……!」

倒れこんではいるが、視線は先程よりも鋭くなっていた。



俺はそれをいっさい気にせず。

「………………………………」
「…………えっ……………」

手を差し出した、今さら何をと思われたかもしれない。

「………………すまなかった、少し……焦っていた…」

恭弥の手に一瞬の戸惑いを見せて。

「………………………………」

無言でその手を取った。

「…………なんで………?」

当然の疑問だった。}
突然襲い掛かってきた相手が、急に手を翻したら誰だってそう思う。
……………だが、俺にはもう攻撃する気は無かった……………
……………むしろ謝らなければいけなかった……………

「…………なんで…………助けるんですか……?」
「それは…………………………」

言葉が出ない…………
自分自身にも、明確な理由が思い浮かばなかった。
必死に考えたが、それよりも彼女の意識が限界のようだった。

「………………ぁ………………」

そのまま倒れこんでしまった。





地面に落ちる前に抱きかかえ、そこからどうするかを考えることになってしまった。
………………目が覚めるまで、介抱しなければいけない……………
義務感であったが、個人的な感情がどこかに紛れていた。

「………………すまなかった……本当に………………」

自分の腕で眠り込んでいる彼女に、恭弥は謝った。
恭弥は地図を取り出し、目的地を決めた。
比較的近く、安全であろう病院。
ひとまずの行先を決めた。

「………………なのは………………}

……すまない……俺はまだ助けに行けない……………」
だが、この子が意識を取り戻したら、必ず助けに行く。
それまで…生き延びるんだ……






【D-5 街路樹付近の茂み 1日目 深夜】
【高町恭弥@とらいあんぐるハート~sweet song foreever~】
【状態】左脇腹に痛み(行動に支障はない)・移動中
【装備】無し
【道具】支給品一式、苦団子@千と千尋の神隠し
【思考】1、この少女を介抱する
    2、いったいこの子は誰だ……?
    3、なのはを助け出す
    基本:人は殺さない
      襲ってきても気絶させるのみ

【D-5 街路樹付近の茂み 1日目 深夜】
【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikers】
【状態】気絶中・腹部に激痛・護送中
【装備】今のところ不明
【道具】支給品一式
【思考】1、この人は誰?
    2、油断………しちゃったかな…





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