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ニルギンが書いてくださいましたッ!素晴らしい偽シナだよ目がほのぼのだよ!(何ソレ さぁとくと堪能したまへっ! ◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆ ●穴場はさいては山脈に  ここはさいはて山脈のとある山。その4合目あたりに、冒険者たちの姿はあった。 「ねぇ。今どのあたり?」 そう問いかけるのは住所不定無職の・シェレイラ(a65939)。地図を開いていた蒼き激流の舞闘士・ニルギン(a55447)は眼鏡を正してあたりを見渡した。 「そうですねぇ。あと少し登ったところですね。私たちの足でいけば十五分といったところでしょうか?」 「ようやくお花見ができますのね。わくわくしますわ」 彼と一緒に地図を見ていたあなたに会えるその日まで・レイ(a71967)が顔を上げ、抱えていた本を抱きしめる。が、そばにいた幸いを祈る花・ユキ(a72129)は少し残念そうだった。 「はぁ、桜ドリさんも一緒だったらよかったのに」 彼女としては桜の花を持つドリアッドたちが持つそれと自然に咲く桜の両方を愛でたかったのだが、今回はいないようだ。 「やっぱり桜の下を陣取らねばねッ!」 と意気込んでいるのはニルギンの義兄である茜守狐・ジェネ(a27753)。彼もだが、みんなお花見をすごく楽しみにしているのだ。 「穴場というだけに、わかりづらい道だよね」 綺麗なものに憧れて・アリア(a78047)が道を見て呟く。恐らく普段はショートカットの為につかう道なのだろう。若干わかりにくい。 「まぁ、私が育った場所にやや近い場所ですかれね」 ニルギンはそういいながら地図を畳む。そして一同は再び歩き始めた。そして15分後。幾つもの桜が咲く広場へと到着した。 ●お弁当タイム! (桜でも見て和むとしようかしら。――なんて。この私が考えるとでも思ったら大間違いよ) 準備をする姿を見ながらシェレイラは笑う。待ち合わせに、最後に来た彼女はくすくす笑いながらジェネの頬をつつく。 「な、何なのだ!」 「ほら、桜の花びらがついてる」 彼女の言うとおりでジェネの頬や鼻の頭には花びらがついていた。その様子に笑いながらもアリアとユキはシートを広げ、レイとニルギンが準備を進める。旅団で作ったお弁当を広げると、いい匂いがした。 「さぁ、早速食べよう!」 アリアはそういってお皿とコップを配る。ユキがお茶を準備しており、ジェネとシェレイラも手伝う。 「みんなで作ったから、きっとおいしいですよ!」 ニルギンがそう言ってお弁当を開くと、美味しそうな匂いが鼻をくすぐった。 一段目 * だし巻き卵 ・エビフライ ・オムレツ * 甘酢たれがたっぷりかかった肉団子 二段目 * 桜餅 ・栗きんとん * 果物入りのポテトサラダ ・金団豆 * イチゴ ・巨大苺大福 三段目 * サンドイッチ ・おにぎり * ロシアンつみれ ・エビチリ * つみれのから揚げ 花見に行かないメンバーも手伝ってくれた力作に、全員目が輝いていた。 「エビフライはみぃんな僕のねっ!」 「あっ! ユキも食べたいですっ!」 ジェネとユキが我先にとエビフライを取り、そんな姿が子供っぽい、とシェレイラはくすくす笑う。そして箸をつけようとして…ふととまったのはロシアンつみれ。一つだけ激辛なものが入っている彼女お手製のものであった。 「あら……」 「……辛いです」 ニルギンがロシアンつみれを口にしたが、どうやら激辛だったらしい。 「と、とにかくお茶を飲んで!」 アリアからお茶をもらい、ニルギンはそれを一気に飲み干す。そして一息付くと恥ずかしそうに一礼した。その様子もおかしく、シェレイラの口元は艶っぽく綻んでいる。 「こちらはふつうですわ」 レイもロシアンつみれを口にしていた。 「まぁ、ロシアンという辺りで危険な香りなんだけど…チャレンジしてみないとね!」 ジェネがエビフライをはもはもしながら笑い、ロシアンつみれに手を出すと……不通だったりした。反応に内心戸惑うジェネ。それにくすくす笑うシェレイラ。 「美味しい……」 アリアのにっこりした笑顔に、作った相手もさぞ喜ぶ事だろう。そう思いニルギンがちらり、とシェレイラを見るとまんざらでもない笑顔で別の料理を食べていた。 「えーっと、次はこれです♪」 ユキが選んだのはおいしそうなオムレツ。ふかふかで一口齧ると具の味が舌にじんわり広がる。 「う~んっ、大好物なんだよね!」 ジェネが食べているのはだし巻き卵。こっちmふわふわで優しいだしの味がのんびりとさせる。 「いい炊き具合……」 アリアが食べているのは金時豆。落ち着いた甘味が箸休めにはちょうどよく、お茶にもあってなかなかよい。 「やっぱり、ピクニックには最適ですわ」 サンドイッチを食べながらレイがぽつり。新鮮な野菜のしゃきしゃき感が心を弾ませてくれる。 「こういうのもいいわね。うん、丁度いい辛さね」 シェレイラはエビチリをぱくり。香ばしいエビとピリ辛のソースがよく絡んで口当たりがいい。 「お弁当って、みんなで食べると凄く美味しいです」 ニルギンが食べているは甘酢だれがたっぷりかかった肉団子。肉の旨味と甘酢の味が合い、食欲をそそる。それぞれがはもはもと美味しそうに食事をしているのだが……何気なく見ると一番そつなく食べているのはシェレイラである。 「こっちもなかなかねぇ~」 と果物入りポテトサラダを食べつつまったりしている。 「って、エビフライが……」 アリアが気づいたとき、既にエビフライはなかった。どうやら取り損ねたらしい。 「よかったら食べます?」 と、さり気無くニルギンが皿を渡す。とその傍らではジェネが皿に何本ものエビフライをのせ、幸せそうにはもはもしていた。 「こっちから取った方がいいですわ!」 「わわっ、これは僕のなんだよ~っ!」 レイがジェネの皿に手を伸ばし、ジェネがどうにか守ろうとする。それを見つつユキがくすくす笑い、おにぎりをもぐもぐ。 「確かに、そっちから取った方がいいですね。ジェネさん、食べすぎはダメです」 そういいながらひょい、とエビフライを取るとアリアの皿へと乗せるのだった。  後不敵に微笑みながらも食物連鎖の頂点に立つような勢いで食べるシェレイラとそんな彼女に弄られるジェネを見つめながらアリアとニルギン、レイ、ユキはのんびりと食事をとるのであった。 ●桜の木の下で……。  ひと通り食事を済ませると各々自由に桜を愛でた。 「素敵なところですわ……」 「ええ…本当に」 レイとアリアはお茶を飲みながらのんびりと桜を愛でている。ひらひらと舞う桜の花びらはほんのり優しい薄紅で、見ているとなんだか心地よくて眠ってしまいそうだ。現にレイは小さく欠伸をしている。 「中身の無い状態で結構頑張ってると思わない?私」 「中身がないだなんて……。貴方は立派な『貴方』という中身があるじゃないですか」 シェレイラの何気ない一言にニルギンは首を横にふる。因みにジェネは今にも眠りそうなのか、こくりこくりとしている。 「んー…ちょっと眠いかも……」 「あらあら、ジェネさんったら……」 ユキがブランケットを持ってきてジェネの膝にかけてあげる。風はほんの少しだけ冷たいので用心のためだ。それから間もなくして、ジェネはすうすうと愛らしい寝息を立て始めた。 「ふふっ」 くすくす笑いながら、シェレイラはジェネのほっぺをぷにぷに。そしてちょっとだけ伸ばしてみたりしている。弟分で遊ぶのが楽しいらしい。それでも起きないジェネに「人気者はつらいわよね~」とか言ったりしている姿は悪戯好きな姉である。 「いい顔で眠っていますわ」 「今のうちに尻尾のお手入れ、しちゃいましょうか♪」 レイが頷き、ユキもなぜか用意されている柘植の櫛でジェネの尻尾を梳き始めた。レイはブランケットを正し、その寝顔に小さく微笑んだ。 「……私、ジェネ兄様と同じ年になったんですけど、なんか逆転してしまった気分です」 おやつを食べながらニルギンが感想を漏らし、アリアはお茶を飲みながらその光景を見ていた。 「それにしても、いい日和ですね」 そういいながら天を仰ぐと桜の花びらがひらひらと舞い落ちる。無言で見入るそのなか、ジェネだけが幸せそうな顔で「もう食べられないよ~」と小さく寝言を呟くのだった。  春の日は、こうして穏やかに過ぎていく。 (終わり) ◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆…◆ 書いてくださったニルギンに多大なる感謝を! またお願いしたいn(べしゃっ

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