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ふと何か思い付いたのか、彼女が思案に浸りはじめた。
しばらく眺めていると、その表情がいったり来たりしている。
深く考え込んでいる彼女は外界の刺激に非常に疎い。
ついこの間敢行して、散々に怒られ恥ずかしがられた頭をこうやって撫でる事もなんら障害がない。
彼女の柔らかな後頭部を堪能していると、不意に彼女が顔を上げてきた。目が、合う。

「…どうしたんです?」

普段、彼女はしっかりと穏やかながらこちらの目を射抜くように見てくる。
しかし、今はそれが僅かに揺らいでいるように見える。

「…………ぁ」
「?」
「ご、ご主人様……御用はおありですか、……にゃあ?…っ」

何故か、舌っ足らずな口調で小首を傾げてきた。
そして間髪入れずに顔を真っ赤にし、うつ向いてしまった。

後々彼女がしどろもどろで弁明したところを纏めると、猫語で男性が喜ぶのだという話を何処かで小耳に挟み、それを確かめたかったんだそうだ。
俺の反応が希薄だっただけに、余計恥ずかしくなったらしい。
……中々、悪くはなかったけれども。なにぶん、唐突だったものとはいえ、反応出来なかった自分が少し、恨めしかった。