※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

キーワード

  • 新台入替
  • 猫の執事
  • 理想と現実の狭間にころりんっすととんとんとんっ♪
  • ベンザブロック
  • パイプオルガン
  • 計画的
  • ソースはサイゾー
  • 河童の飼い方
  • 蚊帳
  • デートの誘い
  • 三行広告
  • ダメ元
  • 真夏でも暑苦しくないもふもふ
  • 天上天下唯我独尊
  • 留守電解除
  • ハードスケジュール
  • インテル入ってる?
  • 世界に誇る文化
  • くまのぬいぐるみ

作品紹介

さて、昔のはなしをしよう。キミのおばあちゃんだって知らない、昔々のお噺を。
西暦は無い。日付も、時間も無い。これは、2011年と、2012年の、狭間の物語。


「天上天下!唯我独尊!俺無双!」
時が止まった渋谷駅の改札で、アホは叫んだ。
それを冷めた目で見る人間は、残念ながら私しかいない。
お前は三行広告のライターか。さっさと食料調達しに行け。
「下りてください。そこスイカをタッチする部分で貴方が乗るところじゃないです」
振り向けば、いくらでも人の姿はある。だけど彼らが動くことはもう無い。
ある日を境に、私たち以外のすべてが固まってしまったから。
2011年、最後の日。時計の針が頂点で重なった瞬間に、世界は狭間へと落ちた。
天気は快晴。雲ひとつなし。そして見渡す限りの動かない人。ヒト、ヒト、ヒト、ヒト、ヒト。
「理想と現実の狭間にころりんっすととんとんとんっ♪」
なんて、数少ない例外の一人はこの状況を歌う。
「どういうことですか」
「うん、ちょっと機材で調べてみたんだけどね。ここはもう平成23年じゃないのね」
「そりゃそうでしょう。23年は終わりました。今は24年です」
「違うんですねー。君の脳みそインテル入ってる?コアセッサ?最後まで聞いて?」
動かなくなった家族。動かなくなった友人。誰も動かない生まれ故郷。
私は人を探して街を出た。そして流れ着いた、東京都、渋谷区。

「結論から言う。ここは異空間だ」
「は?」
「で、君は彼らが動かなくなったと思ってるけど。逆」
そう言い置いて、彼は机のはしに座っていたくまのぬいぐるみを手にとった。
くまは腕を振り上げて力説する。モウお分かりかと思ウが!
「そう!俺達のほうが!世界から切り離されたのさ!ソースはサイゾー!」
「ふざけてる場合じゃ」
「いや俺の名前が彩蔵だしソース俺だからふざけてないマジ」
ぬいぐるみの小さな足を右へ左へと操作して、彼はもふもふと擬音を付けたしながらくまを歩かせる。
「ついでに言っとくと、これは自然現象でも超常現象でもない。人の意思がみえるゼ!」
「クマの口調はもう結構です暑苦しい。誰かが計画的にってことですか?」
「可愛いから真夏でも暑苦しくないもふもふ!ハードスケジュールだったと思うよ。こんな荒唐無稽なこと現実にやらかしちゃうんだもん。過労で白髪になってるかも」
「あたま痛い…」
「ベンザブロック飲む?コーラックもあるよ」
「コーラック飲んでどうするんですか!」

大学生だという彼は、私に仲間を紹介してくれた。
彼の実弟。私と同い年の高校3年生。アホ。だが悔しいことに私より頭が良い。
大学構内で彷徨っていたところを拾われたらしい理工学部、学生。性格がひねくれてる。
自称、秘密組織『猫の執事』に選ばれたエスパー。厨ニ。見てて恥ずかしい。
近所のスーパーで働くお兄さん。唯一の良識人。
パソコン画面の向こう側にいる協力者。ハンドル『パイプオルガン』。
なんの縁か、私は彼らと力を合わせ、元の世界に帰るために奮闘することになる。
「さて、待ちに待った新台入替だー。今度こそ蚊帳の中に戻ってやろうぜ!フィバー狙っちゃうよ!」
「兄ちゃん天才!残酷無比!残虐非道!勝手に他人の留守電解除する男!」
「うっせんだよ勝手にやってろ。俺は安全が保障されない限りは外に出ねえからな」
「おれは乗ってやってもいい。ダメで元々だが、多少の可能性は感じるんでな。それにおれは選ばれし七翼…」
「ちょっと!何でみんな今度こそとか残酷無比とかの発言スルーなの?不穏だよ?ねえ?日本のことなかれ主義は世界に誇る文化だよ!?」
「P_organ>ソウデスか?彼の言葉はイツも不思議ナノで気にするコト無いかト この前も河童の飼イ方なんて論文カイてましタシ」
微妙にかみ合わない彼らを前に、息をつく。とにかくやるしかない。
ひとり決意を固めて、私はゆっくりと瞳を閉じた。


さて、まだ昔のはなしは終わってない。キミも僕も誰も知らない。これからのお噺だ。
西暦なんて関係無い。日付なんて、時間なんて、関係無い。これは、たった一人のための、狭間の物語。

あれ?僕が誰なのかって?そんなのとっくに忘れてしまったよ。
ひとつ確かなのは、僕も2011年と、1012年の狭間にいるってことかね。
もしもここから抜け出せたら、今度は僕のデートの誘いに乗ってくれるかな?
じゃあ、はじめよう。語り手は僕。お話の主人公は、キミだ。


■ 誰が諸悪の根源だよ責任とれよ乙女ゲーム
■ 『 おまえだったのか ~慰謝料払え~ 』
■ 予約特典:貴女への謝罪文

派生など


この作品への感想等はこちらへ
名前:
コメント: