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上杉隆 氏に発言を引用されたドブレイユ氏が実際に言っていたこと

上杉隆 氏は2012年2月、ヨーロッパで開催された会議に出席し、そこでインタヴューしたジル・エリアール=ドブレイユ氏の言葉を自身の記事やメルマガで引用した。ドブレイユ氏を知る人がその引用に疑問をもち、本人にメールしたところ、ドブレイユ氏は、そうした発言はしてないと返事をしたという。インタヴュー・ビデオでドブレイユ氏が実際に話していたことを、上杉氏の記事と比較してみた。

ジル・エリアール=ドブレイユ氏(ビデオではイリヤデュブロイ氏)のインタヴューU3W.JP



上杉隆の東京脱力メールマガジンVol.105 ドブレイユ氏の実際の発言
「今回の会議は特別なものです。オーフス条約の精神を体現する会議と して、フクシマの大事故を受けて特別に開催されるものです。欧州委員会、欧州議会に参加している国や団体の代表者がここルクセンブルクに一同に介し、まる2日間にわたってプレゼンを行い、フクシマ原発事故後の環境への影響、放射能汚染、とりわけ情報収集、あるいは情報隠蔽がどのようになされたのかを検証しようというものです」

主催者の一人、欧州のドラマに出てくるような庶民的なハンサムの科学者Gilles Heriard Dubreuil氏 はこう語って、私の初歩的な疑問に丁寧に答えてくれた。

実は、彼は、ホテルの前で雨に打たれながら歩いている私をみつけて「ミスター・ウエスギ!」と最初に呼び止めてくれた人物でもある。Dubreuil氏だけではない。驚いたことにこの会議中、私は見ず知らずの欧州人から、外国人にしては難しい発音の苗字で何度も呼び止められ続けた。そう、すでにみな私の顔と名前を知っていたのである。

この会議の意味ですね。了解です。まず、この会議は、オーフス条約を視野に入れた会議です。

オーフス条約は、環境や健康に影響する全ての情報へのアクセスする権利、そして、もうひとつ、なにか重大な事が決定されるにあたり、市民が参加する権利について、取り決めています。ですから、この会議は、その分脈上に位置するいくつかの会議の一つ、特に全ての原子力関連の動きへの「情報のアクセスの権利」と「参加の権利」を精査するためのものです。核廃棄物の取り扱い、核の安全性についての情報、そして非常事態の対応などすべて。

昨今、福島事故後、特に重要と思われるトピックは、「情報流通システム」です。我々は、例の事故後、情報システムを見直す必要があると感じています。市民にとっての情報システムです。いかに市民が意思決定のプロセスに参加することが出来るかと言う事です。国際条約です。88年にデンマークのオーフス市で行われた国際会議において締結された条約なんです。

そう1998年...失礼、1998年です。その条約は、ほぼ全てのヨーロッパ諸国の国々にサインされました。EU加盟国のみではありません。ほぼ全てのヨーロッパの国で、です。この会議は、国連の枠組みで組織されたものです。そして、これは、先ほど私が申し上げた通り、3つの重大な柱を提示しています。①市民の情報へのアクセス権利、②市民の参加の権利、その参加は、「結果のない」参加ではなくて...条約(オーフスコンベンション)は、はっきりとこう言及しています。「意思決定のプロセス上に、いかに、市民の参加が、市民の声が反映されたか、証明されなければならない」と。③条約が守られなかった際に、市民が「法の正義」に、裁判所に訴えることの出来る権利です。

私はチェルノブイリの事故後の90年から、市民への事故後の影響の調査を開始しました。汚染された土地に生活する人々の日常生活への影響を知るため、いくつかの調査をしました。そしてやがて、私は他の研究者達と共に、汚染された土地の生活環境改善の研究を開始しました。それはEthos project エートスプロジェクトと呼ばれています。1996年に開始したプロジェクトです。村の人々、農業従事者、母親、教師、全ての人が一丸となり、生活環境を改善する為の道を探りました。我々が始めたのは、現地のモニタリングです。そして、皆がその結果にアクセスできるように、彼らの日常生活の活動に大きく関係するその結果に、アクセスできるようにしました。

ここでの私の役割は二つです。一つはMutadisという小さな独立調査組織のディレクターであること。1990年に設立した組織です。詳しく申し上げますと「技術革新が巻き起こす全ての事象における市民の役割」についての問題を取り扱っています。そして、私は、その文脈において、核の問題に関連する、いくつかの地域に関わっています。

それから私の二つ目の役割は、この会議を組織した、「国家地方情報局委員会連盟」のアドバイザーです。これは、核情報に関連する、フランスにおける全ての地方情報局を集合した組織です。NGOや、県知事、その土地の専門家、など全ての関連する人々を集めています。

あなたがた...福島にいる私たちの「同士」...に向けて言葉をお伝えする事ができるのは、私にとって光栄なことです。私は個人的に20年近くの間、ベラルーシとウクライナの汚染された地域に住む人々と働いています。今回の事故はたいへんハードな状況だと思っています。しかし、それでも私はこう言いたいのです、必ずや、生活環境を改善する道はあると。そしてこのような状況においても、絶対に、希望を放棄してはいけないのです。私にとって最も大事なことは「人との関わり」です。「手をとりあうこと」、一緒に働くことだと思います。「意志のあるところに、道あり」といいます。ベラルーシの人々と共に働き私が実際に経験したのです。


※訳文はビデオの字幕を引用し、あきらかに日本語としておかしい部分のみ修正した。
前出のG氏もこう話す。

「今回の会議があなた、ミスター上杉を招いた理由には、日本のマスメディアが機能を果たさず、多くの日本人に情報を提供できなかったという背景がある。私たち、欧州の人間が、フクシマの原発事故において、日本政府や専門家、あるいはメディアから本当の情報を得ることができたかというとそうではない。多くの貴重な情報は、独立系のジャーナリストやFPAJ(自由報道協会)、あるいは市民団体によってインター ネットを通じてもたらされたものばかりだ。政府は情報を隠蔽し、メディアは機能しなかったと考えている。

公的なデータとして活用できたのはTEPCO(東京電力)のHPから直接得たこと。あるいは、あなた方のようなジャーナリストの報告を各国大使館がそれぞれ訳し、本国に逐一伝えたことにある。東京のフランス大使館は一日200回以上の公電を打ってきた。いずれにせよ、なぜ日本で情報の遮断が起きたのか。その実態とマイクロメディアの果たした役割を知りたかった、それであなたをお招きしたのだ」

そう、自由報道協会は日本では極めて低い評価、いや評価さえされていないが、世界、いや少なくとも欧州のこの会議の参加者たちの間ではその存在を大きく認識 されていたのだ。そしてこちらが恥ずかしくなってしまうほど、堅実で勇気のある言論機関として評価されていたのである。

夕刊フジ2012年3月13日
実際にこの2月、私は、欧州・ルクセンブルクで開かれた欧州委員会とフランス原子力規制局共催の「オーフス会議」に日本代表として呼ばれ、「フクシマ」の現実について語ってきたばかりだ。

四半世紀前、チェルノブイリの悲劇を経験した欧州の人々は、総じて放射能による環境汚染への危険意識が高い。

その彼らの口を借りれば、 「実は、日本の国民こそがもっともフクシマの情報を持っていないのではないか」 (フランスMustadis代表、ジル・エリアール・デュブルイユ氏)ということになる。

実際、そうした「情報隠蔽」は、福島に通い続けている私自身も実感している。

※上杉氏は2012年2月24日放送のピーター・バラカン氏のラジオ番組でも同様のことを話している。



以下はbuvery氏の記事「捏造なう」から引用

上杉氏の夕刊フジ記事に引用されたドブレイユ氏の発言(上記)に疑念を感じたbuvery氏は、ドブレイユ氏本人に発言の真偽について問い合わせ、以下の返事を受けとったという。

Date: Mon, 26 Mar 2012 10:47:21 +0100
Subject: Re: Mr Gilles Heriard-Dubreuil
From: Gilles HERIARD DUBREUIL

===日本語訳===

確かに上杉さんは、2012年2月15-16日に、ルクセンブルグで開かれた、アーハス協定と核(ACN)ヨーロッパ円卓会議に参加しています。

会議の後で、上杉さんは、私自身と、ANCCLIの代表、Monique Senéのインタビューをしています。インタビューは英語で、通訳なし、ビデオで記録がとられています。

会議が終わった後の短いインタビューでした。言葉の選び方を[公表前に]チェックする機会はありませんでしたが、チェックさせて欲しいと頼まなかったことは、言っておかなくてはなりません。

しかし、あなたの言っている引用の意味が私にはよく分かりません。

"According to them [European people], "The people of Japan may be least informed."

これは、
1) 日本人が現在情報をあまり知らされていないという意味か、
2) 日本人に情報を知らすべきでないという意味か、
どちらでしょうか。

いずれにしても、まず最初に、どちらも私は支持しません!

仮に最初の(事実という)意味であるとすれば、 私は、日本の現状を評価する手段を持っておりませんから、そのような評価をするのは、私の意図ではありません。

2つ目の意味だとすれば、私の意図とは全く逆です。私は、日本の人が情報にアクセスし、事故後の決定過程に参加したいというのを支持します。この文言は、私が仲間たちと1996年にベラルーシで始めたエートス計画の核心にありました。


From: XXXXXXX XXXX <xxxxxxxxx@xxxxx.xxx>
Date: Wed, 28 Mar 2012 07:31:39 +0900
Subject: Re: Mr Gilles Heriard-Dubreuil
To: Gilles HERIARD DUBREUIL

===日本語訳===

ドブレイユさん、

ハロー、私はXXXXXXX XXXXです。

上杉隆が非常に多忙なため、代筆しております。

私は上杉隆事務所のスタッフです。

おっしゃられた通り、インタビューのビデオを上杉がとっておりますので、上杉は『もう一度確認する』と言っております。

上杉が確認次第、連絡を差し上げます

(以下略)

以後、上杉氏からの連絡はなく、対応を求めたbuvery氏のツイッター・アカウントを上杉氏はブロックしているという(※参考:未処理案件)。





更新
2013.02.06 参考リンクを追加